歯列矯正治療における痛みについて徹底解説
歯列矯正治療を受ける際に痛みがどの程度あるのか気になりますよね?痛みのタイプや期間をわかりやすく解説します。
歯列矯正治療での痛みについて、より詳しく理解いただくため当院の事例に基づいて解説します。
歯列矯正の治療は非常に痛みを伴うものと一般的に考えられがちですが、痛いイメージを持ってしまう方も多いかもしれません。
ですが、歯並びの悩みを解消したいと思う気持ちは強いものの、治療が痛そうで不安を感じてしまい、治療に踏み切れないケースもあるかもしれません。
しかし、歯並びの悩みがある場合は、まずは矯正歯科のカウンセリングを受けることをおすすめします。
このコラムでは、歯列矯正治療における痛みのタイプや期間、そして痛みを和らげる方法について、当院の実際の事例をもとに詳しく解説いたします。
まだカウンセリングへ行く段階ではないとお考えの方も、事前に痛みの発生するタイミングやその原因などを事前にご存知であれば、歯列矯正についての見方が変わることもあるかもしれません。
歯の矯正に伴う痛みの種類とその対処法
(1)歯が動く時に生じる痛み 歯を矯正する際に力をかけると、歯の周囲の神経や血管が圧迫されて炎症が起こり、痛みが生じます。
一般的には、矯正器具の調整後2〜3日の痛みが最も強く、食事の際にも痛みを感じることがあります。
この炎症反応を利用して歯を移動させるため、痛みは避けられず、時間が経てば自然に治るものです。
痛みが強い場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
(2)口の中に矯正装置があたったときの痛み ワイヤーやブラケットを使用した矯正治療により、口の中の粘膜に触れることで違和感や痛みを感じることがあります。
治療の際には、ワイヤーの処理を丁寧に行い、痛みを軽減させることができます。
特に奥歯の後側に向かって突き出したワイヤーの部分が痛みを引き起こすことがあります。
そのため、ワイヤーの先端を曲げることで痛みを軽減するようにしています。
歯列矯正治療における痛みの特徴と軽減方法
歯列矯正治療を受ける際に感じる痛みには、処置中の口を開けたままの痛み、器具が当たる痛み、ワイヤーの調整瞬間の痛みなどがあります。
これらの痛みを軽減するためには、丁寧かつ迅速な治療が重要です。
処置を行う医師の技術によっても差が出るため、口の中で微細な作業を行うためには繊細さと器用さが求められます。
また、日常生活では食事時に痛みを感じることがあります。
歯列矯正中は歯が不安定な状態であり、硬い食べ物を噛むと痛みや装置の破損のリスクが高まります。
そのため、柔らかい食べ物を選ぶことが勧められます。
また、痛みのピークは個人によって異なりますが、通常は1週間程度で収まることが多いです。
痛みを軽減する方法も存在しますので、痛みに敏感な方やそれほど気にならない方も安心して治療を受けることができます。
歯科矯正における痛みの管理方法
歯列矯正を受ける際に痛みに対する不安を抱く方もいますが、実際に治療を受けた患者の中で、痛みが原因で矯正を途中でやめた方はほとんどいないことが分かっています。
痛みの感じ方は個人によって異なることから、あらかじめご心配になる必要はありません。
矯正治療において痛みが発生することは避けられませんが、ほとんどの場合、日常生活に支障をきたさない程度の痛みであることをご理解いただければと思います。
具体的には、鎮痛薬や食事の工夫、歯科矯正用ワックスなどを利用して、痛みを和らげる方法を見つけていくことが大切です。
また、矯正治療において痛みを軽減できる「形状記憶合金ワイヤー」を使用することも一つの有効な方法となります。
痛みに対する適切な対処法を見極め、医師と相談しながら治療を進めることで、ストレスを軽減し効果的な矯正治療を受けることができます。
形状記憶合金の利用方法について
形状記憶合金は、設定温度を越えると弱い力で元の形に戻ろうとする性質を持っています。
歯の形を覚えさせた「形状記憶合金ワイヤー」を歯に装着すると、体温で温められたワイヤーが徐々に元の形に戻ろうとし、それによって歯はゆるやかに移動します。
このことで余計な力が加わらず、痛みの軽減を図ることができます。
歯科矯正は通常、長期間に及ぶ治療が必要なため、痛みの少ない方法を選ぶことで、より快適に治療期間を過ごすことができます。
痛みの少ない歯科矯正治療の選択肢とは
一般的な歯の矯正方法であるワイヤー矯正に比べて、マウスピース(インビザライン)を使用した矯正治療は痛みが少ないと言われています。
これは、歯の移動がゆっくり行われるためです。
インビザラインでは、2週間ごとにマウスピースを交換しながら徐々に歯を移動させますが、1回の交換で歯が移動する距離は約0.25mm程度です。
そのため、痛みが大幅に軽減されます。
ただし、全ての症例にマウスピースで治療が適しているわけではないため、矯正歯科専門医による適切な診断を受けることが重要です。
大人の歯科矯正についてより詳しく知りたい方は、矯正歯科専門医の診断を受けることも重要です。